くしゃみ、鼻水、目のかゆみ。あるいは、原因不明の肌のかゆみ。もし、あなたがこのようなアレルギー症状に悩まされているのなら、その原因の一つは、部屋の隅に積まれた、あの何気ないダンボール箱にあるのかもしれません。ダンボールは、ゴキブリやチャタテムシだけでなく、アレルギーの最大の原因物質である「ハウスダスト」を生成し、その中で「ダニ」を育む、最悪の温床となり得るのです。なぜ、ダンボールがダニの温床となるのでしょうか。まず、ダンボールの表面や、その波状の構造は、空気中のホコリを非常に吸着しやすい性質を持っています。そして、そのホコリの中には、ダニの餌となる、人間のフケやアカ、食べ物のカス、カビの胞子などが豊富に含まれています。さらに、ダンボールは湿気を吸いやすいため、ダニが繁殖するために必要な、適度な湿度(60%以上)を、内部に保ちやすいのです。ここに、餌と湿気という、ダニが繁殖するための最高の条件が揃ってしまいます。家の中に最も多く生息する「チリダニ(ヒョウヒダニ)」は、この快適な環境で爆発的に増殖し、大量のフンをします。そして、そのフンや死骸が乾燥して砕け、アレルゲンとなって空気中に舞い上がるのです。さらに、事態を悪化させるのが、「ツメダニ」の存在です。ツメダニは、この増えたチリダニを捕食するために集まってきます。そして、ツメダニは、時に間違って人間を刺し、赤い発疹と、しつこいかゆみを引き起こす原因となります。特に、衣類や布製品、ぬいぐるなどをダンボールに入れて長期間保管するのは、最も危険な行為です。繊維製品は、ダニにとって最高の住処であり、餌も豊富です。大切な思い出の品が、アレルギーの原因物質の製造工場と化してしまうのです。衣類などの長期保管には、絶対にダンボールを使用せず、通気性の良い、プラスチック製の衣装ケースなどを利用しましょう。そして、不要なダンボールは速やかに処分する。それが、見えないアレルゲンの脅威から、あなたと家族の健康を守るための、重要な選択です。
ダンボールはハウスダストの製造工場!ダニの温床としての危険性