ユスリカ対策の基本は、彼らを家の中に一歩も入れないことです。一度侵入を許してしまうと、照明に集まってきたり、死骸がアレルギーの原因になったりと、様々な問題を引き起こします。物理的に侵入経路を塞ぐことが、最も確実で効果的な防御策となります。まず、最も重要なのが「網戸」の管理です。一般的な網戸の網目の大きさ(メッシュ)は18メッシュ(1.4mm四方)程度ですが、体長が1mm程度の小さなユスリカは、この網目をすり抜けてしまうことがあります。可能であれば、24メッシュ(1mm四方)や30メッシュ(0.67mm四方)といった、より網目の細かい「防虫網」に張り替えることを強くお勧めします。これだけで、侵入してくるユスリカの数を劇的に減らすことができます。また、網戸に破れやほつれがないか、そして窓枠との間に隙間ができていないかを定期的にチェックし、隙間テープなどで補修することも忘れないでください。次に、玄関や勝手口からの侵入対策です。ドアの開閉はできるだけ素早く行い、長時間開けっ放しにしないように心がけましょう。ドアの周辺に、ユスリカが嫌う成分を含んだ吊り下げタイプの虫除け剤や、網戸用の虫除けスプレーを使用するのも効果的です。特に、夜間は玄関灯にユスリカが集まりやすいため、ドアを開けた瞬間に一緒に入ってきてしまいます。照明の対策と併せて行うことが重要です。意外な侵入経路となるのが、換気扇や通気口、エアコンの配管周りの隙間です。換気扇には防虫フィルターを取り付け、壁の隙間はパテなどでしっかりと塞ぎましょう。最後に、洗濯物への付着にも注意が必要です。ユスリカは白いものに集まる習性があるため、洗濯物を取り込む際は、一枚一枚よく振って、ユスリカが付着していないかを確認してから家に入れる習慣をつけましょう。これらの地道な対策を組み合わせることで、家をユスリカのいない安全な聖域にすることができるのです。